今日は倫理的思考スキルについてまとめていきます。
倫理的思考とはロジカルシンキングとも言います。
色々なスキルを身につけていっても、
この倫理的思考が出来なければ、折角身につけた他のスキルも意味を成しません。
では、
どうやって、この倫理的思考スキルを身につけるのか?
早速、はじめたいと思います。
ラーメン屋の売上げと利益
- 座席数13席
- 場所:浜松町
- 従業員:3人
- ラーメン価格:650円
上記のようなラーメン屋さんがあったとします。
このお店の売上げと利益がどのくらいか分かりますか?
正確な数字は誰にも分かりませんが、
いくつかの手掛かりを用いて概算することはできます。
それをフェルミ推定といいます。
フェルミ推定:実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。
例えば「東京都内にあるマンホールの総数はいくらか?」「地球上に蟻は何匹いるか?」など、一見見当もつかないような量に関して推定する事、またはこの種の問題を指す。
ラーメン屋の話に戻ります。
まずは要素分解をしていきます。
- 平日
- 週末
に分けます。
次に、
- 回転数
- 来店数
- 客単価
- 売上げ
- 営業日
- 原価
- その他のコスト
- 全軽費
- 売上げ
- 利益
そして、
- ランチ
- 夜
このように手掛かりを書き出していきます。
それを図にしたものが以下になります。
このようにフレームを作っておけば、
飲食店に行って料理を注文し待っている間に
そのお店の売上げの予測が出来たりします。
実際に数字を入れてみると
予め、このフレーム(計算式)さえ作っておけば
何か事業を行う時など、この計算式に数字を入れるだけで
答え(売上予測)が見えてきます。
ロジカルシンキングというのは、この式の正解・不正解が重要です。
計算式さえしっかりしていれば、どのような事業にも対応できていきます。
世の中は自分中心ではない
何か事業をスタートさせようとする時って
ワクワクしますよね。
勢いがありますよね。
うまくいく気がしますよね。
でも、ちょっと待ってください。
勝手に思い込んでるだけじゃありませんか??
昔(15世紀くらいまで)は、
地球の周りを太陽が回っているという『天動説』の考え方でした。
しかし、
16世紀にはいると、コペルニクスが『地動説』を発見しました。
事業を行う際も、『地動説思考』が重要になります。
- 商品(サービス)を提供する側は思い込みを抱いてしまう。
- 自分の見えている景色が必ずしも正解ではない。
- しっかりとしたデータに基づく事実が必要。
自分の思い込みを一旦捨てて
顧客の視点を論理的に証明、追及することが最重要になります。
人は物事をドラマチック化してしまう習性がある
人間というのは、
思い込みをドラマチック化してしまう習性があります。
あなたは世界を正しく見ていますか?
ここでクイズです!
Q1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?
A. 20%
B. 40%
C. 60%
Q2 日本政府推計によると、40年後の日本(2059年)では、65歳以上の人口は今と比べてどうなっているでしょう?
A. 今とあまり変わらない(2020年=36,124人)
B. 今と比べて20%ほど増える
C. 今と比べて40%ほど増える
・
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・
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・
では、クイズの答え合わせです。
Q1は「C 60%」が正解。
Q2は「A 今とあまり変わらない」(34,641人と推計)が正解。
Q1は、『ファクトフルネス』の著者ハンス・ロスリング氏が
さまざまな国で実施した質問で、
高学歴とか学者とか関係なく、その正解率の平均は7%でした。
ちなみに、
チンパンジーは3つを同じ確率で選ぶので、
33%に近い正解率になるはず。
私たちはチンパンジーに負けてしまうのだ!
人間は、よりドラマチックな答えを選ぶ傾向にあると指摘し、
その理由を10の本能として紹介したのが、話題の本『ファクトフルネス』。
良かったら読んでみてください。
話がそれました。本題に戻ります。
なぜ、先ほどの質問は正解率か低いのかというと、
人はドラマチックに物事を見る本能というのがあるからです。
私たちは、
爆撃された町の子どもの映像や
飢餓で苦しむ子たちの映像を
テレビやインターネット(PC)を通して見てしまいます。
そうすると、その画面上が何故か全てで
この世界はこのようなものなんだなと脳にインプットしてしまうのです。
でも、一旦冷静になり、データで見てみると
先ほどのクイズのように、現実は自分の思い込んでいた数値とは
異なるということが分かるのです。
なので、
事業を行う際には、思い込みを捨てなければなりません。
捨てなければいけない思考
私たちの本能の中には
分断思考とネガティブ思考というものがあります。
捨てなければならない本能①
分断思考
私たちは何故か、物事を2つに分けたがる傾向があります。
でも実際は、
物事は簡単に2つに分けることはできません。
ほとんどの場合、中間層が多数という事もあるのです。
「白」か「黒」か。
「0」か「10」か。
2つどちらかで物事を判断しようすることはとても危険です。
偏った見かたをせず、冷静に判断をしてください。
ではどうするのか?
「白」か「黒」かではなく、
灰色が合ったり、ホワイトグレーがあったり
色んなグラデーションがあるという
グラデーションの理解というのが必要不可欠なのです。
なぜ2つに分けるとうまくいかなくなるのか?
皆さんが、飲食店をオープンさせようと考えているとします。
「飲食店は立地が大事だ!」ということで
- 交通量が多い=良い立地
- 交通量が少ない=良くない立地
と判断しがちです。
でもちょっと待ってください。
交通量が多いという事にネガティブな点は無いのか?
と疑う人は少ないのです。
逆に、
交通量が少ないという事にポジティブな点は無いのか?
これを考える人も少ないのです。
交通量が少ない場所でも、考え方によっては固定費を抑えられるなどの
メリットもあります。
立地が良く、お客さんの回転率も良く売り上げを上げていても
家賃や人件費などの固定費が掛かりすぎて利益が残らず
倒産してしまうという飲食店も多いのです。
大切なことは
どれだけ売り上げを上げるのかではなく、どれだけ利益が残せるか。
なのです。
一概に、
「交通量が多いから立地がいいよね」とか
「交通量が少ないから立地が悪いよね」と単純に2つに分断していると
何もうまくいきません。
やらなければならないことは、
分断化したものを、更に細分化してグラデーションを考えてみる
という事が重要になります。
なので、事業を始める時には
この2つに分断するというクセは捨てた方が良いのです。
ネガティブ本能
捨てなければならない本能②が
ネガティブ本能です。
人というのは、
ポジティブな情報よりも
ネガティブな情報をキャッチしてしまいがちです。
皆さんはどうですか??
そして、ネガティブな情報は人々の共感を引き寄せます。
2016年頃に世間を賑わせた
「保育園落ちた日本死ね!!!」
あれも、同じような境遇の子育て世代の人たちの共感を受け
一気に拡散されました。
あれがもし、
「保育園受かった日本最高!!!」
だったとしたらどうでしょう?
きっと、反応する人は少なかったと思います。
このように、人というのはネガティブな情報には
めちゃめちゃ反応してしまうものなのです。
次に、メディアから流れてくる情報はどうでしょうか?
例えば交通事故のニュース。
交通事故で子どもが一人亡くなったとします。
ニュースではその事実だけ伝えるのではなく
親族が泣いているシーンだったり、
泣きながらインタビューを受けているシーンも流したります。
最近ではコロナ関連のニュースもよく見聞きしますが、
内容はネガティブな内容が主です。
このように、メディアからの情報にはネガティブな要素のものが多い。
ネガティブ・ネガティブ・ネガティブ…
毎日毎日ネガティブな情報にばかり触れていると、
本当に世の中がどんどん悪い方向に向かってしまっているのではないか
という気持ちになってしまいます。
でも、実はそればっかりではないのです。
2018年にソフトバンクが通信障害を起こしました。
この時、ニュースでは
〝ソフトバンク 通信障害後の5日間で1万件以上の解約〟
などと情報が流れていました。
ソフトバンクやばい!
と思った人も多いのではないでしょうか。
しかし、これをデータで見てみることにします。
日本には約1億7000万回線があり、
そのうち23%の約3,910万回線がソフトバンクです。
そして、年間の解約率が約2%程度。
3,910回線の2%なので、年間約782,000件が平時から解約されている事になります。
年間782,000件の解約数を365日で割ると
1日約2,142件が解約していることになります。
1日2,142件…
2,142件×5日間だと10,710件。
おや?
おやおや?
そうなんです。
普段から、5日間で1万件くらいの解約があっているのです。
別に通信障害のせいではないのです。
このように、メディアは何故か知らないですが
ネガティブに情報を発信しようとしているのです(/・ω・)/
なので、皆さんも、
普段何気なく見聞きしている情報をそのまま受け止めるのではなく、
それって本当なの?と一旦疑ってみる。
ロジカルに考えてみるという作業をしてみると良いかもしれません。
メディアの裏付けというものがとても重要。
自分の感情や感覚を定量化して証明する事が重要です。
そうすると、きちんとした事実が見えてきます。
事実が分かるとデータにできる。
データにできるから成功の確率が高まるのです。
【本日のまとめ】
- 見聞きした情報を鵜呑みにしない
- 感情や感覚を定量化して証明
サービス設計はロジカルに組立てよう!
次回はサービス設計についてです。
今回は濃い内容でした。
長文になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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